第二次世界大戦で活躍したエモンズ

エモンズは第二次世界大戦の際に大活躍していたアメリカの駆逐艦であり、今では沖縄本島から古宇利大橋で繋がった古宇利島の沖に沈んでいます。全長106mであり、今なお原形を留めているので、国内外からダイバーが沈没した駆逐艦を見るために訪れることもあることを知っておきましょう。巨大な主砲やスクリュー、ソナーや機銃、兵士が使っていたヘルメットなども海底に横たわっています。

アメリカの駆逐艦であるエモンズは、第二次世界大戦末期にあたる1945年4月6日に、大規模に展開された日本軍の神風特攻隊の攻撃の標的となりました。ロッドマンという駆逐艦と一緒に航行していましたが、ロッドマンが先に攻撃され、損傷したロッドマンを護衛するために砲撃を行ったのです。多くの特攻機を撃墜しましたが、同時に5機からの攻撃を受けたときに爆薬庫に引火した結果、大爆発が起こってしまいました。乗船員は必死に対応しましたが復元能力が失われており、敵の手に渡ることを危惧した米軍は乗組員の救助後に自らの手で海底へ沈めることにしたのです。ちなみに、この戦闘ではエモンズの乗組員60名が戦死し、77名が負傷するという結果になりました。

実は、エモンズが発見されたのは2000年になってからです。沖縄古宇利島の北のほうでは、ときどき海底から油が浮いてくるという問題が起こっていました。通報を受けた海上保安部の調査員が調査したところ海底に沈む軍艦の発見に繋がり、2000年の12月には地元ダイビングインストラクターの調査の甲斐あってエモンズであることが発覚したのです。長い歴史を経て発見されたエモンズは、地元住民だけではなく、ダイバーや研究者の興味の的となっています。水深が深くて潮の流れが速いだけではなく魚雷や爆薬などの危険物も多数残っていることから、上級ダイバーでなければ実際に潜って観察することができませんが、エモンズを見たいために訓練を積む人もいるほどです。

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